日本移民が100年経って
 実に、世界の5分の4の国々からブラジルに移民はやって来ました。初めは、16世紀、砂糖景気のためにアフリカからの奴隷、17世紀には、金を求めてポルトガルから。
 18世紀にはアメリカの南北戦争に敗れて南軍が。さらに18世紀には、貧しい後開発のヨーロッパ・ドイツ、イタリアから、そして、やがて日本が1929年の世界不況の中、日本移民の最盛期、コーヒー移民として、今は、韓国、中国、インドなどからも移ってきています。

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 日本の地方開拓伝道のガイド 
日本移民100年の記念祭、旧日本人街。七夕の賑わい

 

「あの方のような、カリスマ性が無いから駄目だ、と思わなくて大丈夫!]
   30年の祈りと30年の忍耐さえあれば、平凡な貴方にも出来るのです。

 19916 月、塩原で行われた、第3回日本伝道会議での私の発題「日本人伝道の四原則」を
その後、20年間ブラジルで実践し、もっと具体化し、単純化させました。

 日本人伝道はブラジルのようなキリスト教国の伝道方式とは全く違っていま
す。ある意味でキリスト教国の伝道方法では、参考になっても、非キリスト教民族には殆ど、困難なのです。


 


    題して[--貴方にもできる地方開拓伝道ガイドーー」


         その七大原則

 

 1.       七大原則


 ⅰ、第一原則。「短期(短気)ではなく、長期(気長)伝道」

  桃栗3年、柿8年、日本人伝道、203040年 です。地方伝道は忍耐と祈りです。マジックはありません。奇跡は確かにありますが、それは、うめきと忍耐の中にあるものです。棚ボタはありません。ですから、趣味を持つことは大変にいいことです。
 息抜きできない人は忍耐が続きません。出来れば、軽い人間関係の生ずる趣味。コーラスやゴスペル、書道や華道クラブ、ハイキングやラジオ体操会、囲碁・将棋、写真や文芸、料理クラブ、釣りやスポーツなど。余り伝道と結び付けなくてもいいのです。気長が好いのです。 でも、少しづつ役立ちます。


 

 ⅱ、第二原則。「待ちの伝道ではなく、文書を持って3ヶ月に一度、訪ねる伝道」 

  2030年待っていても、大都会の伝道と違って、地方では、純日本人伝道なので、日本人は向こうからキリスト教会に来てはくれません。一回目の伝道会で、地域から来てくれる人は来てしまって、それからが前進無しです。証しと一口メッセージの文書を持って、20,30 年お訪ねすることです。
 伝道を戦争に例えると、放送は飛行機、本田伝道はタンク、幼稚園は地雷、しかし、勝利の旗を立てるのは、歩兵です。訪問は、他の兵器に助けられながらも、勝利を確かなものにする兵法です
 「待ちぼうけ」の歌で、ウサギが木の根にぶつかるのは、一回だけで、あとも、待っていると箒草が生えます。


 

 ⅲ、第三原則。「語るのではなしに、聞く、耳の伝道」

 親しまれ信用されるのが地方伝道の鍵です。信用されるまでに時間が掛かるのです。そして、聞き続けて初めて信用されるのです。聖書が開けるのは51020年先です。無理は禁物です。

 それまでは祈りつつ、文書に語ってもらいます。直ぐ語る伝道はキリスト教国・欧米ラテンアメリカ人への伝道法です。幻惑されてはなりません。日本人には向きません。殊に地方では。
 伝道講演会は
1年に1度で十分です。決心者を招くより、アンケート方式の方が来会者に緊張を与えません。訪問を続けていると、来会者の殆どは、面識のある人になります。

 

 ⅳ、第四原則。「個人伝道ではなしに、地域伝道」

 地方に行けば行くほど、地域への奉仕が大切に成ります。地方で成功している教会は、殆ど長い間の福音的幼稚園を持っています。地域とのチャンネルが多いほど、教会に地域性ができます。地域に役立つ伝道です。
 伝道会後や学生伝道やキャンプの中では、個人伝道も大いに有効。ブラジルでは公園やサッカー場でもできます。


     
しかし、日本の地方伝道では、個人伝道は良い関係を切ってしまう危険があるのです。長い期間を掛けることです。一発勝負のような伝道は、地方では無理なのです良く祈って個人伝道をするよりも、良く祈って20年良い関係が保てることが大切なのです。地域に仕える伝道です。

 

 ⅴ、第五原則。「大人ではなしに、子供伝道」

 教会の最大、絶対の立地条件は、公園の隣です。これは自分自身でも一大発見だと思っています。子供たちの遊び場がどうしても必要です。子供に大人の礼拝に同席させようとするのは、そのような文化習慣を持たない日本では、殊に、開拓では、殆ど無謀です。

 非キリスト教民族の開拓では、ことに、地方では、子供にしか伝道のチャンスがありません。子供を通して家庭へです。開拓は子供が好きであること。

 キリスト教国では、大人が教会に来れば子供はそれに付いてくるのです。
ブラジル人伝道は全くその通りです。しかし、日本の地方伝道では、それは、夢のまた夢です。

 

 ⅵ、第六原則。「一人では無しに、欧米宣教師と」

 英語は、子供伝道に大きな突破口ですし、異国の同労者は全戸配布にも、定期文書訪問にも大きな助けになります。開拓は孤独な戦いですが、同労者がいると、助け合えるのです。それに、一般の日本人の中には西欧人に興味を持っている人々も多いのです。
 また、彼ら宣教師の背後には、大きな祈りの支援もあります。物事は、スタートの時点に大きな力が必要なのです。開拓は資金も可なり必要です。二組で出来ると大きな力も出ますし、大いに励ましあえるのです。

 ただ、よく祈り合い、話し合い、食事し合い、意思の疎通をいつも図っていることは、大変大切です。外国人は、一般的に察するという文化を持っていません。何か言うときは良く祈ってから、まず日ごろに彼ご一家のご協力に感謝し、かつまた彼の協力参加を感謝し、中田宣教師はこう言っています、「直接伝道よりも間接伝道のほうが、非キリスト教国では大切なのだと 言うことを十分に理解しあって下さい」、と言って下さい。中田の責任にする方があなた方の間に気まずさが少なくて済みます。
 

 

    ⅶ、第七原則。「海外日本人伝道、国内外国人伝道も、会食伝道が一番」

 日本人青年や単身赴任者の多い海外の大都市では、日曜日にレストラン・食堂を探すのが大変なのです。医療や教育、一般社会情報、日本語図書なども知りたいのです。また、必ず、定住者やその家族も可なりいます。それらの子供たちへの日本語教育も、場合によっては可なり有効です。